犬のワクチンはどんな種類があるの?
犬のワクチンにもいくつかの種類があり、どれを接種したらいいのか迷われる方も多いと思います。ここでは、犬のワクチンの種類や特徴について解説します。
法律上の義務がある狂犬病ワクチン
狂犬病予防ワクチンの接種は狂犬病予防法に定められていて、生後91日以上の犬の飼い主は、狂犬病予防注射を毎年1回犬に受けさせる義務があります。
混合ワクチン
混合ワクチンの接種は法律上の義務ではありませんが、感染症を予防する上でとても重要なことです。狂犬病ワクチンと同じく年1回の接種がすすめられています。混合ワクチンには「コアワクチン」と「ノンコアワクチン」の2種類があります。
コアワクチン
コアワクチンは重篤な症状を引き起こす感染症を予防するためのワクチンで、全ての犬に接種がすすめられています。コアワクチンには狂犬病ワクチンも含まれています。狂犬病以外のコアワクチンの対象となる感染症は下記の4種類です。
- 犬ジステンパー
- 犬伝染性肝炎
- 犬伝染性喉頭気管炎
- 犬パルボウイルス感染症
ノンコアワクチン
ノンコアワクチンには、接種は必須ではありませんが飼育環境によっては接種がすすめられるワクチンが指定されています。
ノンコアワクチンで予防できる感染症は下記の3種類です。
- 犬パラインフルエンザ
- 犬コロナウイルス感染症
- 犬レプトスピラ症
混合ワクチンの種類と費用
混合ワクチンには2種から11種までが存在します。ここでは接種する機会が多い5~11種の混合ワクチンで予防可能な感染症と、おおよその費用について解説します。
5種混合ワクチン
5種混合ワクチンで予防可能な感染症は、5種類です。
- 犬ジステンパー
- 犬伝染性肝炎
- 犬伝染性喉頭気管炎
- 犬パルボウイルス感染症
- 犬パラインフルエンザ
費用はおよそ5,000~7,000円程度です。
6種混合ワクチン
6種混合ワクチンで予防可能な感染症は、下記の6種類です。
- 犬ジステンパー
- 犬伝染性肝炎
- 犬伝染性喉頭気管炎
- 犬パルボウイルス感染症
- 犬パラインフルエンザ
- 犬コロナウイルス感染症
費用はおよそ5,000~8,000円程度です。
7種混合ワクチン
7種混合ワクチンで予防可能な感染症は、下記の7種類です。
- 犬ジステンパー
- 犬伝染性肝炎
- 犬伝染性喉頭気管炎
- 犬パルボウイルス感染症
- 犬パラインフルエンザ
- 犬レプトスピラ症(2種)
犬レプトスピラ症には複数の血清型があり、7種混合ワクチンではそのうちの2種類のみ含まれています。
費用はおよそ6,000~9,000円程度です。
8種混合ワクチン
8種混合ワクチンで予防可能な感染症は、下記の8種類です。
- 犬ジステンパー
- 犬伝染性肝炎
- 犬伝染性喉頭気管炎
- 犬パルボウイルス感染症
- 犬パラインフルエンザ
- 犬コロナウイルス感染症
- 犬レプトスピラ症(2種)
費用はおよそ7,000~10,000円程度です。
9~11種混合ワクチン
9~11種混合ワクチンでは、8種混合ワクチンにレプトスピラ症の血清型が追加されます。
費用はおよそ7,000~10,000円程度です。
ワクチン接種のタイミングと注意点
狂犬病ワクチン接種のタイミング
狂犬病ワクチンは生後91日以降に1回目の接種を行います。その後は年1回の接種が義務付けられています。
混合ワクチン接種のタイミング
混合ワクチンは子犬の場合は生後6~8週で1回目の接種を行い、その後1か月間隔で合計3回接種することがすすめられています。2年目以降は1年間隔で年1回接種します。
ワクチン接種の注意点
ワクチン接種には副作用や当日の体調など、注意しなければならない点がいくつかあります。
副作用
ワクチン接種に伴いよく見られる副作用としては、下記が挙げられます。
- 嘔吐や下痢
- ぐったりする
- 食欲がない
- 皮膚の痒み、赤み
- 顔の腫れ
これらの副作用は軽度であれば問題ありませんが、症状が重いときには早めに動物病院を受診しましょう。
当日の体調
接種する日に何か病気を疑う症状があったり、調子がよくなかったりする場合には副作用が出るリスクが高まるため、接種を延期した方がいいでしょう。ワクチン接種を予定している場合は体調の管理に注意しましょう。
さいごに
犬のワクチンには法律上の義務がある狂犬病ワクチンや任意で接種する混合ワクチンがあります。混合ワクチンの接種は義務ではありませんが、重篤な感染症を予防するために年1回の接種がすすめられています。犬の暮らしている環境によっても必要な混合ワクチンの種類は変わるため、獣医師に相談してみるといいでしょう。定期的なワクチン接種と健康診断で愛犬の健康を守りましょう。